長野県飯田市の酒造メーカーの喜久水酒造株式会社では、販売管理システムを乗せていたオフコンの更新にともない、日本事務器のクラウド型運用支援サービス「Ezharness(イージーハーネス)」を導入しました。システムをクラウドへ移行することにより、サーバやネットワーク機器などといったハードウェアの運用、更新の必要がなくなり、安心、安全、低コストでシステムを活用することができるようになりました。
喜久水酒造株式会社について
喜久水酒造株式会社は、長野県飯田市、天竜川を望む風光明媚な城下町の蔵元。
酒造りでは平成28酒造年度に全国新酒鑑評会で金賞受賞(3年連続・通算17回目の受賞)、長野県清酒品評会、関東信越国税局主催の清酒品評会でも良い成績を収めております。
喜久水酒造では現在、清酒のほかに、単式蒸留焼酎や連続式蒸留焼酎、果実酒、リキュール類の製造免許を有し、幻の酒造好適米「高嶺錦」を復活栽培した清酒や、信州初の芋焼酎・県産そば焼酎、地元産の小梅・かりんリキュール、山葡萄ワイン、みりんなど、生風土に根ざした原材料を用いて、安全・安心の酒造りを行っています。近年では南信州特産のりんごを使用したシードルなども生産しており、大変好評を得ています。
本社敷地内にはショールーム「翠嶂館」も併設されており、酒造工程の紹介や主要銘柄の試飲、お勧め銘柄の販売なども行われています。団体の観光客を中心に見学に訪れる方も多くなっています。
喜久水酒造株式会社
代表取締役会長
濱島 光男氏
喜久水酒造株式会社
営業部主任
熊谷 美由紀氏
導入のポイント
同社はこれまで、販売管理システムをオフコン上で運用していましたが、その更改にあたり、日本事務器のクラウド型運用支援サービス「Ezharness(イージーハーネス)」、および「CORE Plus NEO 食品 販売管理」を導入しました。
もともと同社では、販売管理システムから取り出したデータを経営戦略の構築などに活用しており、今回の更改は単なる販売管理システムのリプレースにとどまらず、経営判断にも活用するデータ基盤の整備とも言えます。
採用決定後、システムの構築が実施されクラウド上でCORE Plus NEO 食品 販売管理の利用が本格的にスタートしました。構築期間の短さはクラウドサービスであるEzharnessを採用したメリットになりました。
濱島氏はクラウド採用のメリットを以下のように語ります。
「日本事務器からの提案も含め幅広く検討した結果、クラウドサービスを導入することに決めました。サーバを手元に置かずに済みますし、イニシャルでのコストがあまり掛からない、今後ハードウェアを買い直す必要がないという点が大きなメリットと感じました。また、オンプレミス環境の構築にはかなり時間が必要となりますが、今回は実質的に1ヶ月ほどの期間でスムーズに構築を完了できました」
その後、EzharnessおよびCORE Plus NEO 食品 販売管理は大きなトラブルもなく安定して稼働しています。導入の効果について濱島氏はまずこの安定性を評価します。「これまでは落雷による停電などでサーバが落ちてしまうこともありましたが、Ezharnessはクラウドですのでサーバが止まることはありませんので、安心して利用できています」
安定性については通常の運用時にも効果が高いと話すのは、営業部主任の熊谷 美由紀氏です。「以前のオフコンはデータの処理でオーバーフローを起こしてしまうこともありましたが、クラウドサービスを利用するようになってからは一度もありません。また、移行によりサーバの運用工数がまったくなくなったことも嬉しい効果です。サーバの電源を入れたり消したりすることはもちろん、そうしたことを考える必要もなくなったのは運用上の大きなメリットとなっています」
さらに、データのバックアップをクラウド上で自動で行っているので、事業継続環境の強化にも役立っています。「オンプレミス環境ではサーバのトラブルなどの可能性もありましたが、クラウドにしたことで物理的なトラブルもなくなりました」(濱島氏)
経営戦略構築のためのデータ抽出もすでに始まっている。「標準のデータ抽出ツールを使えば簡単にデータが取り出せます。今後は酒税報告書作成などでも活用していく予定です」(濱島氏)とさらなる活用を視野に入れている。また、熊谷氏は「タイムリーに在庫が見られるようになったことが大きなメリットです。以前は1日1回の更新でしたが、リアルタイムで情報が取得できるようになりました」と話します。
現在はまだオフコン上で他のシステムなども稼働していますが、将来的にはオフコンがなくなることでコストメリットも出てきます。サーバ用や空調用の電気代が削減できることに加え、オフコンの設置場所も他の用途に利用できます。
日本事務器のサポートについて濱島氏は、「クラウドサービスになったことで遠隔からもサポートしてもらえるようになりました。今まで以上に素早いレスポンスをしてもらっています」と語ります。熊谷氏も、「どうしても使い勝手が以前と異なるため心配していた面もありましたが、分からないことがあったときにも日本事務器はすぐに対応してくれます」とそのサポート体制を評価します。
喜久水酒造では今後も、クラウドサービスを活用しつつ、データ活用や業務効率化を進めていきます。最後に濱島氏に今後の展望を聞きました。
「当社では通販サイトにも力を入れていますので、販売管理システムとの連携もしていきたいと考えています。また、今回は販売管理システムをEzharness上に導入しましたが、まだオンプレミス上に残っているシステムもあります。そうしたシステムについてもクラウドへの移行を検討していくつもりです」と濱島氏は語ってくれました。
※ 取材日時:2018年4月
更新日:2018年06月07日