(写真右/諏訪梱包運輸株式会社 代表取締役社長 浅川 健司様、写真左/諏訪梱包運輸株式会社 総務部 総務課長 嶋本 大輔様)
信越エリアを中心に8箇所の拠点を展開し、高品質な物流サービスを提供している諏訪梱包運輸株式会社(以下:諏訪梱包運輸)。同社では、基幹システムとファイルサーバーの老朽化対策とBCP対策のため、「Ezharness Hosting Plus Powered by AWS」を活用したクラウド移行を実施しました。
関東・中部・信越エリアにて物流サービスを提供する諏訪梱包運輸
準備から移行後の運用・監視まで任せられるEzharnessを採用
諏訪梱包運輸は倉庫業の他、流通加工など総合物流サービスを提供する諏訪倉庫グループの運送部門として1982年に設立されました。現在、本社を構える長野県上田市を中心に群馬県、埼玉県、愛知県に8箇所の拠点を展開し、食品や飲料、精密機器などの輸送から保管、流通加工まで、高品質な物流サービスを提供しています。
当社の強みは、充実した設備と長い歴史の中で培ってきた運送ノウハウです。2トントラックから大型トラックまで豊富な車種のトラック130台以上を常時運行し、様々なお客様のニーズにお応えすることで日本全国の取引先様から高い評価をいただいています。
また、すべての営業所において交通安全対策で一定の基準をクリアした企業に与えられる「Gマーク(安全性優良事業所認定制度)」、および環境負荷の少ない事業運営をしていることを認証する「グリーン経営認証制度」、さらには職場環境改善へと取り組んでいることを示す「働きやすい職場認証制度」の一つ星を取得するなど、安全や環境対策、労務、健康管理に力を入れるとともに、車両設備への投資や安全研修などを定期的に行うことで安定した経営を続けています。
代表取締役社長 浅川 健司様
総務部 総務課長 嶋本 大輔様
現在当社では、基幹システムとファイルサーバー各1台をAmazon Web Services(以下:AWS)上で稼働させています。これらのサーバーは以前、本社の社屋内に設置していましたが、Ezharness Hosting Plusを活用して、2022年にサーバーをオンプレミス環境からクラウドへと移行し、移行後の運用や監視もサポートしてもらっています。
社内では「運輸配車管理システム」と呼んでいますが、主に次の4つの機能を実装しており、日本事務器に依頼してスクラッチ開発したシステムとなります。
・荷主先からの配送情報による配車指示管理および協業先への傭車配車管理
・荷主先への請求売掛管理
・傭車先への支払買掛管理
・運行作業実績における車両運転担当者の管理
ファイルサーバーに関しても同様ですが、今回、システムの改修などは行わず、そのままAWS環境へと移行しました。
システムの刷新を考えなかった訳ではないのですが、これまで改修を重ねてきたシステムなので機能面で大きな不満は感じておらず、トラブルや不満点がなかったこと。さらには、システムまで刷新するとなると、移行に関するコストや作業負担が増して、時間もかかる可能性があることから、まずはサーバー基盤の移行を実施することにしました。
旧サーバーシステムは2014年に導入したもので、リースや保守契約を延長して利用し続けていましたが、老朽化は無視することができず、いずれにせよ近い将来、サーバーシステムの更新が必要でした。そこで、新しいサーバー機器を導入するのか、クラウドへと移行するのか日本事務器にも相談をしてきましたが、最終的にクラウドを選んだということになります。
コストとリスクという観点からクラウドへの移行を検討しました。
まずコストに関しては、新しくサーバー機器を導入するコストとクラウドを利用する単純なコスト比較だけでなく、数字としては見過ごしがちな運用にかかる様々なコストも考慮して検討しました。サーバーが手元にある場合、管理するための場所や空調、そして保守運用にかかる手間と時間、人件費が必要となります。ネットワークを通じてサーバーを利用するクラウドの場合、保管場所も基本的な保守運用にかかる手間や時間も不要となり、コストを削減できると考えました。
そしてリスクに関しては、BCP対策としてクラウドのメリットを考慮しました。長野県には地震の危険度が高いと言われる活断層が数多く存在し、上田市は南海トラフ大地震による大きな被害も想定されています。また、2019年に発生した台風19号では千曲川の氾濫により鋼橋が落ちて、社員が帰宅できなくなる状況も発生しています。もちろん、上田市に限ったことではありませんが、これまでのように本社社屋にサーバーを置いて運用していた場合、このような災害や事故などの影響を受けてシステムが利用できなくなるリスクがあります。その場合、本社だけでなく県外の他の事業所における事業の継続も危ぶまれます。クラウドを利用すれば、災害によるシステムトラブルのリスクを低減し、BCPを強化できると考えました。
以前からクラウドには興味を持っており、日本事務器に相談したりアドバイスをもらったりしてきました。メリットもデメリットも自分たちなりに理解した上で導入を決めたので、不安はありませんでした。一部、データセンターでのサーバー運用も検討するべきだという声も聞こえてきましたが、どのような形であっても新たに物理的なサーバーを導入するということに対するメリットは感じられませんでした。
AWSはクラウドの中でも最もメジャーな存在であり、稼働実績も豊富でAWSにしておけば間違いないという印象は持っていました。最終的には日本事務器からの提案もあり、AWSを採用しました。
Ezharness Hosting Plusは単にクラウドサービスを提供するのではなく、移行計画の策定から、クラウドの設計・設定、システムの稼働検証、移行作業・設定そして移行後の運用・監視まで、トータルで支援してもらえるので、移行と移行後の運用にかかる当社側の負担を軽減できると考えました。
移行後もシステムは安定稼働しておりシステムの使い勝手も変わっていないので、本社以外の拠点ではサーバーがクラウドに移行したということには気づいていないと思います。一方、本社では社内のLAN環境で接続していたシステムがインターネット経由になったことで、レスポンスの違いを感じる社員もいるようですが、業務に支障が出るような影響はありません。
準備や移行作業はとてもスムーズで、業務に支障を来すことなく予定通りに移行を完了できたこと。そして、移行後もシステムは安定稼働しており、クラウドのメリットを享受できていることが一番の導入効果だと捉えています。
また、システム的なトラブルなどがあれば日本事務器から連絡が入り、対応策を検討・提案してもらった上で、作業を代行してもらえるので、サーバーの管理者は物理的なサーバーの管理から解放されました。サーバーの心配をする必要がなくなり、他の業務に時間を割ける余裕ができたのも大きな成果だと捉えています。
基幹システムに関しては、システムのさらなる機能拡張や刷新なども今後、検討していくことになると思います。一方、ファイルサーバーに関しては、ディスク容量などの仕様に変更や拡張が必要となった場合でも、新たな機器の導入や入れ替えは不要なので、その時々の状況に合わせて柔軟に対応していきたいと考えています。
日本事務器は当社の事情やシステムに関しても知見が深く、担当者の対応も迅速で丁寧なので、クラウドに関する高度な知識やノウハウがなくても日本事務器のサポートがあれば大丈夫だという安心感がありました。また、これまでも同様ですが、専門的な技術や動向について気軽に相談できる相手が地元にいてくれるというのは、何より心強く、いつも当社側の視点で最適な提案をしてくれるので信頼しています。これからも、良き相談相手として、当社目線での提案と迅速な対応、さらには当社にとって有益な情報の提供などに期待しています。
諏訪梱包運輸株式会社
■ 本社所在地:長野県上田市秋和323-1
■ 代表者 :代表取締役社長 浅川 健司
■ 設立 :1982年3月
■ 資本金 :1,500万円
■ 事業内容 :一般貨物自動車運送事業、利用運送取扱事業
※ 取材日時 2023年2月
※ 本事例中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞および製品名等は、閲覧時に変更されている可能性があることをご了承ください。(数字の一部は概数、およその数で記述しています)
※AWS、Amazon、Amazon Web Servicesは、米国その他の諸国における、Amazon.com, Inc.またはその関連会社の商標です。
更新日:2023年03月22日